中井貴一が大声で「記憶にございません!」と叫ぶ予告編を見た時から気になってました。
制作:2019年/日本
上映時間:127分
監督・脚本 三谷幸喜
キャスト
中井貴一:黒田啓介= 第127代内閣総理大臣。演説中に一般人からの投石を受けて、一切の記憶を失う
ディーン・フジオカ:井坂=首相秘書官。記憶を失っている総理を補佐する。
石田ゆり子:黒田聡子=啓介の妻。井坂と…💖💖
小池栄子:番場のぞみ=事務秘書官。井坂と共に啓介を補佐する。
斉藤由貴:寿賀さん=官邸料理人。ものすごくマイペース。
吉田羊:山西あかね=野党第二党の党首。啓介と…💖💖
木村佳乃:スーザン・セントジェームス・ナリカワ=アメリカ初の日系女性大統領
草刈正雄:鶴丸大悟=内閣官房長官。「影の総理」とも称されている。
佐藤浩市:古郡祐=謎のフリーライター。元は政治記者。
ROLLY:鰐淵影虎=聡子の兄で、啓介の義兄。ギター上手い
受賞
第43回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(中井貴一)
第44回報知映画賞 主演男優賞(中井貴一)
第62回ブルーリボン賞 主演男優賞(中井貴一)
あらすじ
(公式サイトより)
病院のベッドで目が覚めた男。自分が誰だか、ここがどこだか分からない。
一切の記憶がない。
こっそり病院を抜け出し、ふと見たテレビのニュースに自分が映っていた。
演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。
そう、なんと、自分はこの国の最高権力者だったのだ。
そして石を投げつけられるほどに……すさまじく国民に嫌われている!!!
部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれる。
「あなたは、第百二十七代内閣総理大臣。国民からは史上最悪のダメ総理と呼ばれています。
総理の記憶喪失はトップシークレット、我々だけの秘密です」
真実を知るのは、秘書官3名のみ。
進めようとしていた政策はもちろん、大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、
自分の息子の名前すら分からない総理。
記憶にない件でタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、記憶にない愛人にホテルで
迫られる。
どうやら妻も不倫をしているようだし、息子は非行に走っている気配。
そしてよりによってこんな時に、米国大統領が来訪!
他国首脳、政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民を巻き込んで、記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻す!果たしてその先に待っていたものとは……!?
感想
やっぱり三谷幸喜はすごい。
まず設定が面白いしキャストも皆すげえ癖あり。
英語が話せない外務大臣、
国会を休んでフィリピンパブにいっちゃう政治家、
官房長官は水鉄砲で遊んじゃってるし
周りの政治家たちのクセが…
中井貴一 すごいです。それぞれ違った顔を見せてくれます。
記憶をなくして挙動不審。
何もかもに怯えていて時々変な声出す、
国民の為に一生懸命に政治に取り組む姿など
ギャップありすぎ
そして総理大臣…嫌われすぎ(笑) 支持率低すぎ
病院を抜け出した総理をSP達が発見して車に押し込むシーンがあるのですが
オラーーー!ってめっちゃ押し込んでてぞんざいな扱い😎
SPにも嫌われているのか…
嫌いな人を守らなきゃいけないってどんな心境だろう(笑)
総理は子供のころの記憶はあるけど政治家になってからがそっくり抜け落ちているそうで…
この困った総理を支えるのが直近の秘書官3名。
この3名のみが総理が記憶をなくしたことを知っています。
他の人には内緒。家族であろうとね😮😮
しかしやっぱり小池栄子は良い演技するなあ。シリアスな役もうまいけどコメディーも物凄くお上手。バラエティ出てもちゃんと面白いし凄いな。この人
ちなみに私の好きなシーンは番場さん(小池栄子)が
総理を公邸(総理が家族と一緒に住んでるとこ)にお連れするときに
ピタッと立ち止まって
「総理はここで必ず私をお障りになられていたのに」と言って
総理にケツをブリン!って差し出すところです。
総理も素直にケツを触ろうとしたし。いや、触るなよ!(笑)
あとはねぇ…番場さんと総理が山西あかね(吉田羊)がいるホテルの部屋に行って
「エンジョイ♡」と言って出て行ったときの顔も好きです。
何とも言えない絶妙な顔をします。
あ!小池栄子さんの素晴らしさは私のブログ「八日目の蝉」でも紹介してるのでそちらも是非
ご覧ください。
そしてわかりきったことですがディーン・フジオカはとてもとてもカッコイイ。顔も声も良い。
最初は色々な事を冷静に見て総理の事も見下してたけど総理が記憶をなくし
以前と全く違って良い人になったことで彼も変わっていきます。
政治を変えたいと思うようになります。
最初、井坂はハッキリ総理に「国民からはこう呼ばれています 史上最悪のダメ総理」と
言いますからね
ちなみに総理が国民から嫌われてる理由
・優柔不断 ・態度がでかい ・人を見下している ・目つきが悪い
・公約を守らない ・女性蔑視 ・動物虐待
まだまだあるそうです
ヤバいやん
しかしそんな彼にも奥様と息子がいるのです。
(最初、官邸料理人の寿賀さん(斉藤由貴)を妻と間違えて抱きしめるシーンが好き。
そして寿賀さんよ…そんな感じで官邸料理人が務まるのか)
私だったらこんな奴と結婚しなーい💔
まあ全然夫婦仲はうまくいってない感じですが…寝室のベッドもめっちゃ離れてるし。
そして妻・聡子役の石田ゆり子はキレーイ。
自由奔放な役も似合うね。わがままー
井坂とイチャイチャしちゃったり💕💕💕
「聡子ナンバーワン」ていう番組で踊っちゃったり
※説明しよう!
「聡子ナンバーワン」とは聡子が政府広報室の税金で作らせてるバラエティショーである!
あ、そういえば総理の記憶喪失の事を聡子に話すか井坂と番場が相談してるときに
井坂が「しばらく隠しておこう あの人はマスコミに何でもかんでも話してしまうから…」と
言っていたが、
聡子は誰がモデルなのかしら…
息子役の濱田龍臣
大きくなったねえ。君はもう立派な大人だ。
しかし映画の中では未成年だから酒を飲んではいけない。世間にバレたらえらいことだぞ。
揉み消してもらえて良かったね。
お父さんにずっとカツヒコだのナツヒコだの名前を間違えられて嫌だったよね。
ほんで君の後ろでギター弾いてる聡子の兄。
「この人凄いな。めっちゃギター上手いやん」と思ってたらROLLYやないかい!
気づかんかったわ。こんな顔やったん?
化粧バッリバリの顔しか見たことないからわからなかったけどさすがプロ💥
そりゃギター上手いはずだわ。そしてだいぶクセあるよ😐
演技とてもお上手でした。多才だなー😮
あ、そうそう気づかなかったといえばジャルジャルの後藤が鶴丸官房長官の秘書官でした。
普通の雰囲気出しすぎです。
気づかなかった。
もっとオーラを出せー!
鶴丸官房長官は草刈正雄さん いくつになってもイケメンは変わりないですね。
そりゃこんな官房長官いたら国民から人気あるはずだわ。しかし悪い役が似合いますね~怖い。
怒らせたら怖い。
井坂が「この10年で総理が5人も変わりましたが官房長官は彼がずっと務めています」と
言っていましたが何せ黒田内閣の中心人物。
この国の政治を回してるのは実質この人らしい。そういうエピソードがいくつも出てきます。
政治の世界って本当大変。
でも中身はペラペラでした。この人。
総理に「あなたはこの国をどうしたいです?」と聞かれ
鶴丸「考えたことがないな 自分の人生を生きるのに精いっぱい」
また総理に「あなたはなぜ政治家になられたんですか?」と聞かれて
鶴丸「政治家として何がしたいか1年生議員の発想だよ 少しでも長くこの世界にいる
それが私のモチベーションだから
考えてみたまえ
我が国の政治は正しく機能している 健全じゃないか実に
この国の国民は変化を好まない
大事なのは平穏であること」
こんな考えの人が政治を回している。恐ろしいことです。
ま、後でこの官房長官はえらいことになりますけどね~。
フリーライター古郡{ふるごおり、と読みます}佐藤浩市)が撮った写真によって。うふふ。
「え、それ?」って思っちゃいますよ。
この古郡もなかなかやりますよ。総理や官房長官をガンガンゆすりますからね
私がこの映画の中で好きな人物はスーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)
アメリカ初の日系女性大統領! イエーーイ!
来日して「ミートゥ」しか話せない総理とも笑顔で楽しそうにお話ししてくれます。
ゴルフにも行っちゃうよー
※ちなみに記憶喪失前の総理は英語・フランス語・ドイツ語・ルワンダ語が堪能だったそう。
そしてゴルフの腕はプロ並みだったそう ごっついなー
木村佳乃はもともと英語ペラペラだし良いキャスティングです。
アメリカンチェリーの種をぺっっ!て吐き出す仕草も気品に溢れていましたよ
宮澤エマ 本当の通訳の人みたいで良かった。ああいう喋り方するもんね。
観てて思わず笑ってしまいました。
そして私は有働さんが好き。めっちゃ上から目線のアナウンサー役
衣装もなんかチャラい
バリバリの化粧するとあんなお顔になるのね。お綺麗です。
あ、ひとつ「おい」ってつっこみそうになったのがスナイパー 川平慈英
それ…当たるか?そのパチンコ玉で。
もっとこうチュイーン!とかバーン!ていう音がするもののほうが良いよ。
まあこんな濃い人たちを相手にしながらも「今の僕にしかできないことがあるはずだ」と
自分に今できることを確実に一つずつこなしていく総理大臣。
今の日本を変えるために。
記憶喪失でオドオドしてる顔から段々とキリっとした顔になっていく過程が良かったです。
素晴らしい演技力だなと思いました。
今の日本で国民の為に真面目に一生懸命に取り組んでいる政治家って
どれくらいいるんだろう…
まあ色々書きましたが、ほっこりする良い映画でした。面白かったー
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