監督・脚本 シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ
製作国：アメリカ
上映時間：106分
原題：The Nanny Diaries (2007年）
原作：ベストセラー小説『ティファニーで子育てを』
キャスト
アニー・ブラドック：スカーレット・ヨハンソン
ミセスX：ローラ・リニー
グレイヤー：ニコラス・アート
ハーバード大生：クリス・エバンス
リネット：アリシア・キーズ
ミスターX：ポール・ジアマッティ
あらすじ
ステキなエリートを夢見るアニー（スカーレット・ヨハンソン）は、ひょんなことから
マンハッタンのゴージャスなマダム、ミセスX（ローラ・リニー）に雇われ、彼女の幼い
息子の面倒を見るベビーシッターとして働くことに。しかし、自由なニューヨークの生活を夢見ていたアニーは、自分勝手なセレブ一家に24時間
シネマトゥデイより
振り回されるハメになる。
感想
…泣いてしまいました。
この映画を最後まで観たら題名の意味が分かります。
いやー良かった！
本当に何となくで観たのですが、まさに主人公がクマにキレてるとこで泣いちゃった。
もっと軽い感じのコメディーかと思ってたら全然違いました。
登場人物は…
21歳のアニー（スカーレット・ヨハンソン）
優秀な成績で大学を卒業したものの自分のやりたいことがわからない。
会社の面接で「あなたはどんな人？」と聞かれるも答えられず「全然わかりません」と
その場から逃げ出してしまう。
生年月日や住んでる場所、社会経済的区分は答えられるけど
自分がどんな人物で、何を目指しているのかわからない。
母親はアニーに良い会社に勤めて出世して幸せになってもらいたいと思っています。
公園のベンチに座ってるおばあちゃんを見て「将来の私」とか言うてます。
ちょっと病んできてるぞ。
そしてその公園で一人の少年を事故から救います。
そして少年の母親ミセスＸに名前を聞かれ「アニーです」と答えるも
彼女は「ナニー？」（向こうではシッターの事をナニーと呼ぶそうです）と子守と勘違い。
母親から「うちの子守が結婚して辞めてしまったの」と名刺を渡されます。
大学時代に文化人類学を専攻していたアニーはセレブの生態調査をするためアニーはＸ家のナニーとして働き始めます。
アニーは「きっとうまくいくはず」と嬉しそうです。
映画の中でちょいちょい出てくるのですが…色々な物事が博物館の展示仕立てで描かれています。
センスのある演出
母親のミセスＸ（ローラ・リニー）
見た目は華やかで公園で出会った時もニコニコして、上品でとっても良い人そう。
しかしアニーが子守としてお家に来た瞬間から物凄く厳しい顔を見せます。
奴隷扱いです。しかし子守の専用部屋がアレって…だまされた感じがしますね。
ミセスＸはなかなかのクセ者で…息子のグレイヤーと触れ合わず、すべてアニーに丸投げ。
セレブな会や美容院に通う方が大事なのか？
グレイヤーが40度の熱出してるのにスパいってるんじゃないよ。
でも実はミセスＸは実の母親から愛情を受けずに育ちました。
だからグレイヤーにどう接して良いのかわからないのかもしれません。
そしてそして息子のグレイヤー君（ニコラス・アート）
公園でアニーに助けてもらったときはキュ！っとアニーに抱きついたりして、なんて可愛い子💓💓
なんて思ったけど、
アニーが子守として来てからはワガママ放題、暴れる、とにかく言う事を聞かない！
でもね一番最初、アニーが初めての仕事としてグレイヤーをお迎えに行ったときに既に気持ちを
表してました
「バーディがいい！」前のナニーの子の名前です。その子ととても仲良くなった。でも辞めちゃった。寂しかったでしょうね。いきなり新しい人が来てまたイチから関係を築かないといけない。
いやいやしんどいよ。グレイヤーはＳＯＳをこの時から出してました。
段々とアニーに心を開いていく姿にキュンとなります。
最初憎々しいと思ってたワガママ息子グレイヤーが話が進むにつれ、もう可愛くて可愛くて
仕方なくなりました。
ハーバード大生のヘイデン（クリス・エヴァンス）
おいイケメンだな。えっと…タイプです💖💖
アニーの事が一目で気にいっちゃったみたいですね。いつも支えてくれます。
Ｘ家の住むコンドミニアムの12階に住んでいます。アニーとの恋も一進一退。
彼は何不自由ないお坊ちゃまだと思っていたらなんと彼が４歳の時に母が死亡 父はいつも出張で留守 ９人のナニーに育てられ全寮制の学校へ行っていたそうです。
友人のリネット（アリシア・キーズ）
キレイ。しっかりしてる。
アニーがＸ家で働くと決まった時に「楽に見える道こそ地雷だらけなのよ」と忠告してくれます。
もうね、本当その通り。アニーの事がよく分かってます。
ちゃんと忠告してくれるってことはアニーを大切に思っている証拠ですね。
自分の意見をハッキリ言うし、アニーの事をちゃんと叱ってくれて恋の後押しもしてくれます。
良いヤツ。
ゲイの友達とルームシェアをして暮らしています。なんかそういうところも好き。
こんな友達欲しいわ。
ミスターＸ（ポール・ジアマッティ）
最初登場するときになかなか顔を見せない
忙しい忙しい言うてるが本当か？
こやつは秘書と浮気をしております。
しかもしかも！皆で別荘に行った時はアニーにまで手を出そうとしやがりました。
キモイー！
そんな暇あるならもっと息子と奥さんと一緒に過ごす時間作って大事にしてやれよー
この映画を観ていて思ったのは、お金があっても幸せじゃないのかも？ということ
だってだって庶民から見たらやっぱり憧れですよ。
家族は良いお家に住んで奥様は働かずともエステやセレブ達が集まる会に行き、
すごく華やかな人生を送っているように見えます。
でもミセスＸは実の息子と向き合おうとせず夫のミスターＸは帰ってきても忙しく家族との時間はほとんどない。たまに会えば喧嘩ばかり。
夫は浮気してるしね。
息子グレイヤーは欲しいものは何でも買ってもらえるでしょう。でも両親から愛情はもらっていないと思います。
母親からも父親からも相手にされてないもん。
両親はグレイヤーの事はどうでもいいんでしょうか。
だからグレイヤーの為に一生懸命なアニーが好き。
アニーをジッと見つめて「大好きだよ」って言ってくるのが可愛すぎます。
”ナニー解決問題セミナー”
日本にはベビーシッターの文化があんまりないから（お金持ちの人は雇うんだろうけど）
この映画を観てて「え？そんなことまですんの？」ってことがたくさんありました。
ナニーは恋愛禁止だし
本当に住み込みで子供に付きっきりなんですね。
そして大変で大切な仕事なのにナニーの立場は物凄く下に見られています。奴隷扱い
アニーが休暇なのにミセスＸが手紙を渡してきます
「私には睡眠が必要。慈善パーティーのため午後料理の試食が…」とか色々と指示が書かれた手紙
試食とかどうでもいいじゃーん。息子とご飯食べる方が大事だよ
ま、その日は「いつもの規則を破る日」と決めてグレイヤーと一緒に自然史博物館へ行って
グレイヤーが大はしゃぎですごく喜んでくれたから良いとして、
休暇や言うてんのにアニーに買い物頼んだり、いきなり「支度して ”ナニー解決問題セミナー”へ」と告げてきます。今夜行くと。
だからアニーが恐る恐る「今日はお休みのはずで…予定を立てました」と言うと
ミセスＸは「はぁ？」と言いたそうな顔をして
「セミナーにはナニーを連れて行くのよ。一人で行けというの？」
怖い！無理だ。これ以上は何も言えん。
セミナー会場ではセレブな奥様がズラッと座っています。
講師がお話しした後、会場にナニーを呼び出します。
部屋の端っこに並べと言われ
「今日のテーマは”ママとナニーの問題解決”ナニーとの問題をあげてもらいましょう」
絶対にナニーの立場として出席したくないセミナーです
そこである奥様から「何度辞めてくれと言っても宗教的な歌ばかり歌う しかも歌っていないと拒否する ナニーカメラで証拠もあるのに」
んん？ナニーカメラ？何それ ナニー用の監視カメラってこと？ 監視までされてるの？
そして講師が「今度はナニーの話を聞きましょう」とアニーを指名します。
最初は「仕事が好きです。幸運だと思っています」と言いますが（ていうか、それしか言えねえよ）
講師がもっと本音を言えと催促。
遠くの席に座っているミセスＸも「どうぞどうぞ」と言っているように見える合図をアニーに送ります。
そこでアニーが「一晩お休みを頂ければ…」と言うと奥さんニコニコ
「慈善パーティの件で忙しかったの 言えばいいのに」と。
いやいや、さっき言いましたやん。ほんで、あんたちょっとキレてましたやん。
そこで講師が一言「ほらね、問題が解決しました」満足そうです。何も解決してないのに。
私のおかげよ。とでも言いたいのでしょうか 嫌いやわーこの講師みたいなタイプ
ミセスＸとアニー帰りの車の中で一言も話さず気まずい雰囲気です。
ナニーも恋愛します。
この後ミセスＸから「出かけて まだ９時よ。休みたいんでしょ？楽しんできて」と言われ
友人のリネットと飲みに行きます。
そこで同じ階に住んでるハーバード大生と偶然会います。彼も友人たちと飲んでいるよう。
でもでもデートは規則違反。
ミセスＸは公園でアニーと出会ったとき「うちのナニーが結婚してやめてしまったの」って
言ってましたが実はデートを１回したのでクビになってしまったそう。
面倒くさ。ええやん別に
ここでもシッターという仕事は下に見られているというのがわかります。
彼の友達から「仕事は何してるの？」と聞かれ「ナニーよ」と答えると友達がプッと吹き出し笑いを
こらえきれない様子「ナニーってすごくポルノな感じだ」とバカにしたように言われます。
アニーは言い返したから良かったけど腹立つなー。
でもこの夜の出来事がきっかけでハーバード君からどんどんアプローチされるようになっちゃいます。良いぞ良いぞ。
その後ミセスＸにバレない様にするために大変そうでしたけどね。
この二人のデートシーンなかなか好きです。
クマにキレちゃった！
ミセスＸの提案で家族で別荘へ。アニーも同行します。これまた豪邸。
グレイヤーはミスターＸから子犬を貰って大喜び！
グレイヤーも子犬も可愛いぞ💓💓
この別荘でパーティが開催されたのですが、
そこでミセスＸが知人に
「最近様子が変なのよ。ナニーカメラを設置したからいずれわかるわ クビにする潮時かも」と言っているのをアニーが聞いてしまいます。
この別荘でミスターＸに手を出されそうになったアニー。その現場をミセスＸに見られてしまいます。
ミスターＸを誘惑したとミセスXに誤解されたアニーは、ついにクビを宣告されてしまいます。
そしてそこでミセスＸがハーバード君からアニーに電話をかけてきてくれてたのに
取り次いでくれなかったことも判明しました。
最後のお給料をもらって別荘から去ろうと車に乗り込むアニー
あ！そうだ！ミスターＸ ムカつく！子犬も車に放り込みます。
「連れていけ。鳴き声がうるさいし息子は幼すぎる」
命を簡単に手放すんですね。
走り出す車にグレイヤーが泣きながら「1人にしないで！」と追いかけていきます。
ここで私もちょっと泣いちゃうのよね。
帰りの船でお給料袋を開けたら少ない！船上だったから風に吹かれて飛んで行っちゃったし。
ここでアニーはキレました。Ｘ家に帰って荷物を取りに来たアニー。
豪華な絨毯の上で子犬に自由にオシッコさせて、家にある高そうな酒を飲み、
ナニー・カメラを探します。
そしてテディベアの中にカメラを発見！カメラに向かって今までの怒りをぶちまけます。
↑ この画像はイメージです（笑）
後日…ミセスＸが企画したのか？またあのセミナー会場。
今日のテーマは”ナニー・カメラの分析”
あの講師もいます。この講師キライ
ミセスＸが前に立ち
「とんでもないナニーの映像です」と訴え皆でカメラの映像を見ます。
しかしそこに映って映像はミセスＸが思っていた内容とは違っていました。
お酒を飲んでカメラに向かって叫ぶアニー
「恵まれない人への事前の前に自分の家族を大切にして！
息子が40度の熱で苦しんでる時にスパに行き電話も出ないのは最低！」
ミセスＸはテープを止めたがりますが例の講師が
「不満を抱えたナニーから学ぶ点はたくさんあるはず」とテープをそのまま回します
講師よ 初めて良いことしたぞ。よしよし
更に続きます。
「グレイヤーは通販で買える飾りじゃない あの子は親が何を買おうが
どの学校を希望しようが関係ない 大好きな両親にそばにいて欲しいだけ」
グレイヤーがどれだけ素晴らしい子か、今までどれだけ寂しい思いをしてきたのか
アニーは訴えます。
このビデオを見たミセスＸは涙を流して会場から出ていきます。
アニーが奨学金や人類学のパンフレットを見ているとハーバード君がやってきました。
あ、彼の名前はヘイデンというそうです。
彼がミセスＸからの手紙を預かってきました。
その手紙には
・アニーにお礼と謝罪が言いたかった
・グレイヤーは自分の宝物だということをアニーが気付かせてくれたこと
・夫と別れたこと
が綴られていました。
アニーはホッとしたような嬉しそうな笑顔を浮かべます。
アニーはこのひと夏のシッターとしての体験を論文に起こし、
それを提出して自分が本当にやりたかったこと
【大学院で文化人類学を学ぶ】と言う夢を実現させることにしたのでした。
一番良かったことはミセスＸが変われたことだと思います。
きっとこれからグレイヤーと共に強く幸せに生きていくでしょうね。
ムクさん
胸にジンと来る良い映画でした。いっぱい泣いちゃったなあ
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