映画「テイキング・チャンス」 静かに語りかけてくる映画 あらすじと感想 

洋画

アマゾンプライムビデオで「なんか面白そうなのないかねぇ?」と探してると…ありました~
ケビン・ベーコン出てるし好きな俳優さんだから観てみよっかな~と軽い気持ちで観たけど…
良い。とても良いぞ
良い映画でした。1時間17分。見入ってしまいました。

この映画を観て戦死者を遺族の元へ届ける「護衛」という仕事を初めて知りました。
戦死者がどうやって遺族の元へ帰っていくのか…この映画を観るまでは考えてもみなかったです。

ニュースで「戦死者」の数を見ても「あぁ…そうなんだ…」くらいにしか思わなくて私にとってはただの「」でしかありませんでした。
でも当たり前だけど、兵士一人一人に素晴らしい人生があって戦地から無事に帰ってくることを願っている家族や友人など大切な人がいるんですよね。
そんなことをじっくりと考えさせてくれる映画です。

血みどろのシーンや遺体がバーン!と出てくることもなく全てが静かに進んでいく映画。

海兵隊の兵士チャンス・フェルプスは、2004年イラクで戦死。
「フェルプスが撃たれた」ところから物語は始まります。

マイク・シュトローフル中佐はある日イラクでの戦死者のリストの中にチャンスという同郷の
若者の名前を見つけ、彼の遺体をワイオミング州の家族のもとへ移送する任務に志願します。

まず遺体安置所に向かいますが
ここではご遺体をとても綺麗に洗い清めていく。所持品を丁寧に洗う。ピカピカに。
軍服もちゃんと縫製して綺麗にする。
この人達の仕事の丁寧さを見ていて、戦死者に対する「想い」が伝わってきました。

飛行機を乗り継ぎ、車を走らせ、長い長い距離を移動していく。
空港ではたくさんの関係者達が棺に敬礼をして敬意を示していました。

搭乗した飛行機でも降りる際にこんなアナウンスが
「当機は戦死を遂げた海兵隊員を運ぶ栄誉を得ました。ご不便をおかけしますが棺の護衛を先に降ろします」
移動中のハイウェイでは、棺を乗せて走る車に気づいたドライバーたちが次々とヘッドライトを
点灯させ、敬意を表す。
大きなトラックが先導し、いつのまにか後続車が続々と列をなす。
このシーンも静かですがとても感動しました。

マイクは基地で人員配置の分析の仕事をしていますが、若い兵士や自分の友人たちが戦地へ赴き、そして死んでゆく…なにかやりきれない思いと共に自分を責めているのだと思います。
だから若い兵士の護衛を志願した。

マイクは言います
「私も行くべきだった。私に出勤命令が下ることは分かってた だがそれに気づかないふりを続けた」

「私は兵士なのに家に。戦場に出ない私は兵士ではない」

しかし現地に到着した後に飲みに訪れたバーで出会った老人(朝鮮戦争の参戦者)が言った言葉
「家族と過ごしたいという願いは悪ですか?」
すごく心に残った言葉でした。
良いとか悪いとかはないと思います。

ムクさん
ムクさん

もが皆、一生懸命に生きて職務を全うしようとしているだけです

この映画のエンドロールにチャンスフェルプス上等兵のご本人の写真が出てきます。

不思議でした。
私もこの旅に同行したかのような、今までの彼を知っているような懐かしい気持ちになりました。
すべてが丁寧に描かれていて、胸に染みる映画です。

是非ご覧くださいね。
切ない気持ちになりますが色々なことを知る事が出来る素晴らしい映画です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました